とても、評価に迷ってしまい、なかなか投稿できない絵本のひとつでした。(実は、他にもいくつか、そういう絵本があります。)
子どもの頃、『八郎』と共に、大好きで、何度も何度も読んだ絵本です。
もちろん、我が家の本棚にもあります。
なのに・・・
大人になってから読むと、素直にいいと思えませんでした。
影絵のような独特な絵も美しく、ばばの方言丸出しの語り口も味があっていい!ストーリーもせつなくて、優しくて・・・。なのに、なぜ???
長男が小2の時、道徳の教材で、このお話が使われました。
みんなが、手をあげて発表します。
「ぼくも、ゲームを欲しかったけど、がまんしたので、花が咲いたと思います。」
えええ?!それは、違うだろう?!
物があふれてる、ぜいたく三昧の現代っ子たちのがまんと、貧しい家のあやが、涙をのんで、妹やおっかあのために祭り着を我慢して咲かせた花と、いっしょのわけない!
年の離れた姉さんと妹ならまだしも、双子の兄弟の、まだまだ赤ん坊の一方が、おっぱいをがまんしなければならないシーンが、どうしても納得できない気がしました。
思えば、あの時から、私はこの絵本が、素直に好きと言えない絵本になりました。
先日、子ども読書活動推進フォーラムというのがあり、地域の読み聞かせグループが、いくつか絵本などを読んでくださり、大型絵本で、この『花さき山』を、久しぶりに堪能しました。
ばば本物が現れたかのような、上手な読み語りに、聴き惚れました。絵も本当に美しく、じ〜んとなりました。
そして、やっぱり、双子の赤ん坊のシーンで、苦しくてたまらない気持ちになりました。
なので、迷った末に、★★★にさせていただきます。
ああ、でも、もうひとつ、気づいてしまったことがあります!(汗)
山から帰ったあやが、おとうやおっかあや、みんなに言っても信じてもらえなかったシーン。
「きつねに ばかされたんではねえか。」
私の絵本にも、「そりゃあ、タコにばかされたんだわ〜!」というのがあり、何だかそっくりなんです!(大汗)
決して盗作したつもりはないのですが・・・子どもの頃好きだった絵本、意識しなくても、しみついてるのかもしれません(苦笑)。
いくら書いても、私の複雑な想いを、書ききれない気がして、こんなに長くなってしまって、すみません