これは、絵本ではありません。イラク戦争の写真集です。「絵本ナビ」の趣旨からは外れるかもしれませんが、多くの人に見て読んで考えてほしいと思い紹介します。
この本はアメリカのメディアに勤める高橋さんが、アメリカ海兵隊と約1ヶ月の間行動をともにし、主に海兵隊の兵士たちを撮影した写真と、戦争終了宣言が出されてから単独でイラク市民を撮影した写真から構成されています。文ももちろん高橋さんで、現場でいろいろなことを感じていたであろうにも関わらず、むしろ、淡々とした語り口です。それは、私達に「この写真を見て自分で考えてくれ」と言っているようです。
遠いイラクでの戦争。日本にいる私たちに報道各社が届けてくれるニュースは、フィルターがかかっていると思います。そんな中で、この写真集は、限りなくニュートラルな立場からの情報と思えます。
戦争って、なんなのか。なんのためにやるのか。今、子供達だけでなく、子供達の親の私達も、もはやわからないのではないでしょうか?日本で戦争を知っているのは私たちの親の世代までなのです。
アメリカの正義、イラクの正義、日本の正義、政府の考え、庶民の考え、どの立場に立つかで「戦争」の捉え方、感じ方が変わってくると思います。この写真集を見て、お子さんと一緒に考えてみてください。
中には、悲惨な写真もあります。下読みしてから、お子さんに見せてください。