「さかさまライオン」
表紙の絵を見ると、ライオンと影。水面に映った影を見て、さかさまライオンかな?くらいに思って借りた絵本でした。
「キャベツくん」を読んだ時も、「ゴムあたまポンたろう」を読んだ時も、最初、「な、な、なんじゃ、こりゃ。」と思ったものですが、この感性は独特です。
長新太さんって、すごい!
「いつもいつもため息をついているライオンの影がいました」
って、この出だしがすごいですよね。ため息をついている影なんて、私、ちょっと思いつきません(^^ゞ
そして、この影、ひょんなことから、本物のライオンと入れ替わってしまうんです。
普通は、ライオンの動くように影も動くものだけれど、反対になってからは、影にひきずられて、ライオンはさかさまに走るんです。
時には、本物のライオンに覆いかぶさってライオンを隠したり、日の長い影になって、飛べるはずのない崖を跳び越してしまったり。
へぇ...すごいなぁ、となんだか、へぇ、へぇ、って思う自分とは違って、子供たちは、ただ、影にひきずれて走るライオンが、おもしろい、おもしろいって楽しんでいました。