久しぶりに手にとると、今では見上げるほど大きくなってしまったこどもがまだ小さくてかわいかった頃、あおくんやきいろちゃんになりきって楽しんだり、悲しんだり、喜んだりしながら読み聞かせをしたことを思い出し、たいへんなつかしい気持ちになりました。
単なる前衛アートでしかなかったものにたった一行の文が加わると、状況をありありと思い浮かべることができる絵になり、それが積み重なると、笑いあり涙ありの普遍的な物語が完成します。
初見ではときめきにくい表紙ではありますが、ふつうの絵であればこれほどまでに入り込むことはできなかったでしょう(緑色になるのも難しいですし…)。だまされたと思って、ぜひ一度、ページをめくってみてください。
読み終えてみると、ふつうの絵本となんらかわりはありません。