色画用紙をちぎったような、ガタガタの青い丸。それがこの本の主人公。
そのガタガタの丸の色を変えたり形を変えたり、大きくしたりしたのを寄せ集めて、登場人物のできあがり。
初めてこの絵本を手にしたとき、美術的な感性の無い私には、難しいな・・・
というのが素直な感想でした。
でも、なぜか読んでいるうちに、ちゃんとその丸に表情があるように見えるのです。
跳ねていれば楽しそうに見えるし、
少しつぶれていると、へこんでいるように見えるのです。
そうして、読む人の想像力を自然に引き出してくれ、
ラストでは「あーよかった」とほっこりした気持ちになるのだから不思議です。
なお、2歳の我が子は大人しく絵本を読み進めていました。
想像力の豊かな子供たちにとっては、そんなに珍しいものではなかったのかもしれません。
いつのまにかその想像力が落ち着いていってしまう前に、
こんな奇妙な本をたくさん、一緒に楽しんでいきたいと思いました。