冒頭に「あおくんです」と紹介されるのは、ちぎり絵のようなただの丸。
主人公と言えば動物とか人間とか・・・という固定観念にとらわれがちな大人からしたら、「えっ、これが?」って感じなのだけど、
子どもは無言ですんなり受け入れています。
ただの丸なのだけど、
パパとママはどっちがどっちかなんとなく分かってくるし、
「きょうしつではきちんとならんでいるけれど」
の場面と
「かえりみちではとんだりはねたり」
の場面では、表情の違いがそれぞれ目に浮かびそうに思えます。
まるでレオ・レオニのマジックですね!
きいろちゃんを見つけたあおくんは、嬉しさのあまり、みどりになってしまいます!
理屈なんかじゃなく「もううれしくてうれしくて」みどりになっちゃう。
なんだか理由はないけどこっちまで嬉しくなるんです。
パパとママに気づいてもらえなくて、悲しくて悲しくて全部涙になっちゃう、あおくんときいろちゃん。
子どもたちは感情の塊なのですね。
最後はやっとパパとママにもわけが分かって、めでたしめでたし♪
あんなに泣いたのに、また半分みどりになりながら遊んでいる、あおくんときいろちゃん。
こりないっていうか・・・でも、子どもってそうですよね(笑)
うちの息子(1歳11ヶ月)は、
読んでいる最中はさほど興奮したようではなかったのに、
「あおくんきーろたん!」と言ってこの本を読んでほしいとせがみます。
子どもの琴線に触れるものがあるのですね。