表紙がおどろおどろしいのでホラーものかと思ってちょっと読むのを迷ったのですが、訳が千葉茂樹さんなので読んでみました。
ホラーなんて書いてごめんなさい。
恐竜の模型作りに生涯を捧げたウォーターハウス・ホーキンズの一生を描いたまじめな作品でした。
恐竜は化石で発掘されるので、模型というのは、その化石から創造を交えて創作するということで、大変な作業ですよね。
最初にイグアノドンのことがでてきましたが、イグアノドンはイグアナの祖先なのでしょうか。
そういえば名前が似ていますよね。そんな風に生きている動物と恐竜の似ているところを探し、設計図を作り構築していくという地道な作業です。
元々、ホーキンズは動物が好きだったようですが、子どもの頃に好きなものを追求し続けていく姿には感動します。
「あたまにつまった石ころが」や「雪の写真家ベントレー」など千葉さんが訳された好きなものを一生かけてやり続けていく人ということで、
このホーキンズにも共通のものを感じました。
模型を作るには、芸術家、動物や恐竜に関する知識など、単に好きなだけではないいろいろな知識や技量が必要とされたことでしょう。
模型を作るのに妨害もあったようですが、私たちが現在恐竜について知ることができるのは、ホーキンズを始めとするいろいろな人たちの地道な研究があってのことなのだと思うと感慨もひとしおでした。
絵本ですが、高学年以上向きだと思われます。