2002年のコールデコット賞オナー賞受賞作品。
ブライアン・セルズニックは、2008年「ユゴーの不思議な発明」でコールデコット賞を受賞しています。
題名から、何を対象にした作品か良く分からなかったのですが、ウォーターハウス・ホーキンスとは人の名前でした。
何度かこの表紙を見て、手に取ったことはあるのですが、表紙に描かれた恐竜が陳腐に思え中々読まなかったものです。
時代は、1853年のイギリス。
それまで、恐竜の化石はあったのもの、全体像が分からなかった時代に、ウォーターハウス・ホーキンスは、恐竜の模型造りを依頼されて次々に世に送り出します。
その彼の恐竜の模型造りに魅せられた一生を描いた作品で、表紙にあったのは、最初の模型のイグアノドンでした。
イグアノドンとは、似ても似つかないのですが、少ない資料から起こした初めての試みだから仕方のないこと。
それよりも、この作品は一生涯を恐竜の模型造りに捧げたウォーターハウス・ホーキンスの生き様を、受けとめて考えるべき作品でしょう。
恐竜に対する愛情が満ち溢れていて、好きなことを仕事にし評価される喜びが伝わってくる作品です。
その半生は、魅力的なものではあるのですが、その恐竜の姿が、子供達にどう映るかが少し疑問です。
恐竜は、子供にとって大好きなアイテムであり、姿形は良く知るところとなっているのですから。
これはイグアノドンではないと思われてしまうと、理解するのが難しいかも知れません。
伝記として、小学校高学年くらいが対象かと思います。