あたたかい、なつかしい感じをあたえてくれるせなけいこさんの本。はさみで切ることで、おなじものでも形がかわるということ、そして「すっきりする」ということ。子供にとってはきれいになっていい気持ちだとか、かたづいていることはいいことだとかいうのは、後から教えられてはじめて知る感覚だと思います。何かアクションをおこせば形がかわってなんだかひとまわり小さくなるんだな...ということは、木や犬や毛糸などでもわかりますが、ルルちゃんがすっきりとした髪型になって「かがみにうつったきれいなこ だあれ?」と読み聞かせると、おぼろげに『あぁ、すっきりするっていいことだな、気持ちいいことだな』ということが伝わると思います。
とくべつな趣向を凝らさなくても、子供にとって新鮮な感情を教えてくれる絵本は、子供に人気があるんだなと思わせてくれる本です。