訳者のおおしまかおりさんは、絶対作者のファンだと思いましたね。
邦訳の分に「愛」が感じられました。
作者イエルク・ミュラーとイラスト担当のイエルク・シュタイナー(絵と文の名前が同じなんてすごいですね!)はスイス生まれ、スイスの作家さんの作品です。
冬眠から覚めたくまが毛むくじゃらの人間と間違えられて、工場で働く羽目になる。何とも変な話です。
人間に間違えられ、「間違えてるんだ」という想いさえ立ち消えそうになるくまの憂鬱さが、とてもよく出ていました。
なかなか深いお話です。
冬の山の寒々とした雰囲気が絵からにじみ出ていて、この絵本はとっても寒い日に炬燵であったかい物を飲みながら読みたい作品だな。と思いました。
ただ、字が多く、ページ数も絵本のわりに多い作品です。
きちんと考えながら内容を把握するためには、高学年から中学・高校生にお薦めします。
(絵を楽しむだけなら、小学校中学年からでも大丈夫だと思います)