小高い丘の日当たりの良い斜面に墓地がある。墓はいつもみな掃除が行き届いている。春から秋にかけては、どの墓にも花の絶えることはない。もう、血筋の途絶えてしまった古い墓にも花が添えられている。ほうすけの仕業だろうか?
書き出しの引用ですが、これを読んだだけでジワッと来てしまいました。
「ほうすけ」は、〜 ミナニデクノボウトヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ 〜と言う、宮沢賢治の”アメニモマケズ”を地でいくようなキャラクターで、不器用なその行動や仕草に真情を感じます。
谷川俊太郎さんの詩と、梶山俊夫さんの絵がぴったりマッチした、失って初めて気がつく、本当に大切なことを教えてくれるお話です。