1980年に出たものが1999年に復刊されたもののようです。あらすじは他の方のレビューにおまかせします。
切ない話です。この切なさの感じ方は、人によって随分違うと思います。生まれた場所育った場所に、この、ほうすけのいた村のような社会があったかどうか、1980年以前に生まれたか以後に生まれたかでも違うでしょう。
谷川さんの吟味された言葉の数々と、梶山さん独特の暖かい筆さばきで、淡々と物語は進んでいきますが、深く深く胸に迫ってきます。
人は皆、血縁じゃなくても知り合いじゃなくても友達じゃなくても、ありとあらゆる存在の中で生かされています。その中の何かが欠けることの重大さを改めて噛みしめました。