天動説を信じていた頃の人々の願いや常識や社会の動きを、安野さんの躍動的な絵とともに描いています。
大変失礼な事と充分承知しつつ言わせていただくと、私はこの本の「解説とあとがき」に一番感動してしまいました。
命を懸けて地動説を説いたブルーノ、コペルニクスやガリレオたちの苦しみ・悲しみがあったからこそ、『地球は丸くて動く』が常識になったのだと。だからと言って、あの時代に迷信を信じていた人々をばかにしてはいけない。現代に到達するためにはどうしても必要な時代だったのだから。
これらのことは、決して教科書から読み取れるものではありません。
私もこの歳でやっと知ることのできた『驚きと悲しみの地動説』です。時間がかかってもみんなにわかってほしいですね。
これから、星がきれいな季節になります。大好きな「冬の大三角」をながめながら、悲しみを背負った先人たちに想いをはせたいと思います。