大好きな遊び場は原っぱという田舎に住む男の子が、「こうえんって、どんなとこ?」とおかあさんにたずねます。
ここから、おかあさんのお話で、公園の説明が始まります。
公園の朝からお日様が頭上に来る頃を経て、お昼過ぎ、夕暮れ時、宵闇、そして、また新しい一日が始まるまでを丁寧に、あたかも望遠鏡で見ているかのような語りで読者にも説明をしてくれます。
ゾロトウさんは、アメリカバージニア州ノーフォーク生まれで、港湾工業都市という大きい町で育ったのでしょう。
作品の公園も、日本ではざらにある大きさとはいえない、立派な公園です。
車を使い繰出さなければ、ちょっといけない規模ですね。
こんな公園へベビーカーを押してやって来れる距離に住む都会人の生活の様子も垣間見れました。
アメリカっぽいなぁ〜と思ったのは、風船売り屋さんの登場。
アイスクリーム屋さんは、日本でも見かけます。
靴磨きのおじさんと言うのは、1944年初版故、時代でしょうかね?
子どもは良く遊び、大人たちは良く語り、恋人たちは囁きあい、公園って、一日中来園者がいるんですね。
私のお気に入りは、ベービーカーを前にお母さんやおばあちゃんたちが楽しそうに編み物をしながら語り合っているページです。
1960年代に日本に入ってきたアメリカのホームコメディにこんなシーンがあったような、「こういう時間の使いたができる人がいるアメリカって、豊かだなぁ〜、」という印象を持った懐かしい記憶が蘇ってきました。
公園が主人公の素敵な作品でした。