【内容】
お姉さん、お兄さん、弟、妹…きょうだいをテーマにした詩が15編。
温かいイラストとともに納められている。
まど・みちお、阪田寛夫、工藤直子、金子みすゞ…など、素晴らしい詩人の名作を、気軽に楽しめる一冊。
【感想】
きょうだいって、いろいろあるんだねぇ〜と、ちょっとぼーっと考えてしまった。
ここに出てくるきょうだいは、仲がいい場合も、そうでもない場合もあり、年の差もいろいろ、家庭環境もいろいろらしいことが想像される。詩人の育った家庭環境も反映されているかもしれない。
いろんな家庭のきょうだいの様子を、ちょっとのぞき見したみたいな気分になった。
一番好きな詩は、「おねえちゃんのめがね」(島田陽子)。
コテコテの関西の姉妹の詩。関西の言葉が、面白い。妹がお姉ちゃんのコンタクトレンズを見て、いろいろ思ったことを表現した作品。子どもの視線は、案外大人よりも鋭く、つっこみが激しくて、ボケもあって、面白くて、親しみやすくて、大好きです。関西人の友達に、音読してもらいたい。
この本を読んでいると、詩は身近なもので、楽しいものだと思えてくる。
格調高い詩も、詩ではあるのだろうけど、こんな庶民的で、身近で、経験して居そうな感じの作品も詩。詩の世界がだだっ広く広がっていきます。とどまるところをしならい、ユーモアの世界。
自分の兄弟についても思い出したり、子どもの頃の思い出を思い出したりして、本を閉じた後も楽しめるお得な一冊となっております。