何歳になって読んでも、色あせない作品だと思います
最初のページは“ちいさいおうち”の誕生シーン。
建てた人の台詞から思うことは、あちらの昔の建物は耐久年数が長い事。百年単位の家屋だって珍しくないと聞きます。
さて、“ちいさいおうち”は、自然環境に恵まれた四季折折りの移り変わりを何十年も楽しみ眺めてきましたが、周囲が年々喧しくなっていき、時代に取り残され、忘れられてしまったような存在に…。
遠い昔、町の灯りに興味を持った事もありましたが、現実は…。
見開き右のページに、“ちいさいおうち”は描かれ、その周囲の様子の変化が、後ろのページに行くほど加速し描き加えらています。
読みすすめていくと、“ちいさいおうち”に、思わず心を寄り添わせ、『この先どうなっちゃうのだろう』と、ページをめくる手が怖々になっていきます。
5歳当時の息子に、『ちょっと長くて飽きちゃうかな?』って思いながら読みましたら、二つのビルに“ちいさいおうち”が挟まれるシーンで泣き出しました。そして、先を読ませず、田園風景の頃のページに無理矢理もどして眺めていました。
結局その日は、最後まで読みませんでしたが、翌日続きを読んでやっと、安心したような様子でした。
10歳の今、読んだらどんな感想を持つか、今夜実験してみます。