「ころんでないた ぶつけてないた けんかしてないた
どうしてぼくはなくんだろう いちにちいっかいはないている」
そんな泣き虫の“ぼく”が疑問を持ちはじめます。
「大人はなんでなかないんだろう」と。
そして気づいてしまうのです。
注意深く見ていれば大人だって実は…。
下の子が生まれお兄ちゃんになり、さまざまな感情を味わいながら成長していく“ぼく”。
子供ってきっと大人が思う以上に鋭い観察力があるのでしょうね。
ちょっとドキッとしてしまいました。
中川さんの詩のような文と長さんの独特な色使いの絵が織りなす、なんだか切ない感覚。
余韻にひたってしまいそうな絵本でした。