“駄目”という言葉は、語源が囲碁からだそうですが、語気が荒く感じられ、乳幼児のころはあまり用いませんでした。
“いけません”もあまり使わなかったような気がします。
大事なものを触られたときは「だいじだいじだからねぇ〜、ちょうだい」とか、「あちちだからね、ないない」とか「いたいいたいするから、ばいばいねぇ〜」なんて内心ハラハラしながら危険なものから遠ざけていました。
でもでも、小学生くらいになると、しっかり伝えてやる事も必要になり、キパッと言っていました。
母のこの豹変振りに息子は裏切られたような複雑な表情をしていました。
今やダメ!連発の母に、無反応なくらい慣れきってしまった息子ですが、この後は母親の制御も聞かぬ暴走もあるのかなぁ〜。
さて、主人公のりすくん。
このダメ!をハッキリ言えなかったために、眠れない夜があったようです。
もともとゆっくりペースのりすくんが、美味しいプリンを堪能しようとしていたら、ダイナミックで豪快なくまくんに頼んでもいないのにプリンを食べられてしまったのです。
りすくんの「あやまって!!」に素直に応じるくまくんの様子に悪気の無さが解ります。
ちょっとした心のすれ違いで、大人は関係を修復できない事も多々ありますが、子どもたちは意外に遺恨も残さずもとの関係に戻れちゃうところが良いですね。
親子で読むときに、りすくんの立場ばかりで読まずに、心ならずもくまくんのようなことをしていないかも考えてみることも大切かな〜と思います。