息子ともどもヤーノシュさんのファンです。以前読んだ『とらくんへのてがみ』とは訳者も出版社も異なりますが、同じシリーズのようです。
仲良しの二人、ちびくまとちびとらが楽園パナマを目指す旅がテーマです。目的地が分かっていないので、まず自分たちで道しるべを作り(笑)、道中出会うあてにならない人々に道を尋ねながら進みます。ちょっとだらしないちびとらがいい味を出しています。
読み始めてすぐに、大人の私は、きっと自宅に戻ってきてしまうと気付き、それでは面白くないなと感じていたのですが・・・。
実際に彼らは自宅に戻ってくるのですが、私の予想とは異なりました。戻ってきた場所は留守中に少し変化していて、彼らは自宅だと気付かずに目的地に到達したと信じるのです。そして旅の間に自宅を素敵な場所にするアイテム(ソファー)を見つけ、またたくさんの友達もできており、彼ら自身も少し変化(成長というべきかは怪しいですが)しています。元いた場所が一番良かったという『青い鳥』のような展開は嫌だなと思っていたのですが、彼らが、もともとあった幸せに気付いたのではなく、新たな幸せを見つけたとわかり、ますますヤーノシュさんのファンになりました。
息子もかなり長い話であるにも関わらず、繰り返し読んでくれとせがみます。よく理解しているという風ではありませんが、二人が好きなようで、満足気に聞いています。
『夢みるパナマ』という題名で、別の訳者、出版社によっても出版されているようですね。