図書館で上の子の朝読用の本を物色していて、ふと、目に留まったのが、この本との出会いでした。
読んでいくうちにドンドンお話の中に引き込まれ、家族がいる居間でフッと口をついたのが、「会いたいなぁ…」でした。
この本を読みながら、そうだ。私は子どもの頃小人とか、妖精とか、ざしき童子に会いたいと、すごく願っていたよなぁ。と、思い出しました。
子どもながらに、「こんなに会いたいと思っているんだから、いつか会えるんじゃないか」って。
(残念ながら、今はまだそういったものに会ったことはないのですけれども…)
作品には「不思議の国のアリス」とか、「床下の小人たち」とか、読んでいたら懐かしい物語がちょっとだけ関連してきます。
2人の少女の物語が、1つの作品になっているのですが、その2つのお話がだんだん1つの物語に紡がれていく道筋がとても素敵でした。
文章は、独特の温かさがさざ波みたいに言葉を投げかけてくれる感じで、心地よく、子どもたちに媚びた感じも少しもないし、ヘンに大人ぶってもいなし、今どき風にこジャレた作りもしていません。
小学生にはわからなそうな言葉や、昔懐かしい物語が引用してあると、1小節の度に、文末にその単語などの説明書きが載っているところがあり、あぁ、この作者は大学の先生なんだなぁ。なんて、面白く読ませてもらいました。
子どもに選んできたはずなのに、大人の私の方が楽しんでしまったかもしれません。
もう、だいたい想像はつくと思いますが、このお話には、小さな可愛らしい人たちが登場します。
このお話の中で、その人たちは「花明り」と、呼ばれています。身長は7〜8cmくらいらしいので、佐藤さとるさんの作品に登場するコロボックル達に比べると少々大きいかな?
どちらかというと、文中にも登場する「床下の小人たち」くらいの大きさでしょうか?
1人目の主人公が小学校2,3年生(はっきり年が書いてないです)、
2人目の主人公が小学校5年生の設定なので、小学校中学年くらいから中学生くらいのお子さんたちに、特にお薦めしたいです。
一見ぶ厚い本ですが、字もやや大きめで行間も広く、読みやすいです。
上の子に、と思って借りてきたのですが、もしかしたら、うちでは下の子の好みかもしれません。
小人好きのお子さんたち、大人たちには、ぜひ手にしてほしい作品です!!