もう子供ではない私にとって、フランシスシリーズでいちばん心を動かされるのはご両親(「ご」ってつけちゃうくらい)の言動なんです。子供らしいちいさな葛藤・反抗・理屈を、いつもの自作の歌にこめて表現するフランシス。その子供らしさもたまらなくかわいいですが、もし同じことを我が子が言っても「たまらなくかわいい」だろうか...正直ちょっと自信ないんですよね。
いろいろ理屈をこねてはジャムつきパン以外のものを食べようとしないフランシス。でも、「じゃ、そればっかり食べてなさい!」と怒ることはカンタンだし、そう突き放されることはフランシスの最も恐れることです。そのことをよくよくご存知のお母さんは「こんなにジャムつきパンばかりたべてたら、あたしがびょうきになって、はがぜんぶぬけちゃうんじゃないかってしんぱいしない?」とかすかな(実はお母さん、かなり怒っているのでは...という)不安に、やさしく心から笑って答えるのです、「mだまだ、きゅうにはそんなことになりませんよ。だからあんしんしてそれぜんぶおあがり。」と。
フランシスは頭のいい子です。本当はなにをすべきかなんて、説明されるまでもなくわかっているんです。きっと、子供はみんなそうなんじゃないかと思います。
でも、自分から自分の非を認めて、自分のためにそれを正そうとするまでじっくり待つ(それも心から・本気で!)、ご両親の姿勢がすばらしいなと思いました。