私は以前、五年ほど、沖縄に住んでいました。
沖縄に住んで間がない頃、亀甲墓の大きさにとても驚きました。
お墓参りの際、お墓の前で御重を広げて宴会をし、踊りをおどったりもするのだと聞かされた時は、「嘘でしょう?」と思いました。
沖縄で仕事をしてみて思ったのですが、沖縄の人たちは、とてもご先祖さまや、それにまつわる祭事を大切にしているのですね。
仕事をしていて、同僚たちから、シーミー(清明祭)や、旧盆のうんけーやうーくい(お迎えする日とお見送りする日)の話を聞かされるたび、
遠方にすんでいるから、本家ではないから、とお墓参りすらろくにしたことがない、そういう自分が恥ずかしくなりました。
コウちゃんは、沖縄のおばあと話します。
自分のご先祖様のこと。
星の数ほどの命が、コウちゃんのところまでつながっている。
おばあのうちなーぐちが、とても心地よいです。
コウちゃんのご先祖さまがずらずらと出てくるページは、実に圧巻です。
私の好きな、沖縄の言葉に、「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」という言葉があります。
この言葉、沖縄在住中に、本当によく耳にしました。
命とは、まさに宝。
幼い息子に、伝わったでしょうか?
この絵本を読み聞かせながら、そんなことを考えました。