絵とお話がシンプルでかつマッチングしていて、その上で両方ともとても素敵です。
こんたがおつかいにでかける穏やかな里の雰囲気が漂う導入、怪しげな「もりのみち」で出会う波乱に満ちた展開、そして、夕焼けの里で母親に迎えられるこんたの喜びの結末。
作者紹介に「自然の中を走ることが大好き」とありましたが、山里の魅力がいっぱい感じられるのは、そんな所からもきているのでしょうか。
本書をとても気に入った様子の6歳近くの孫娘の感想。
「とうふやさんのこのくまさんは、(怖いもりのみちを)知っている(経験している)んだよね」
そうなんだよね。
「怖い『もりのみち』を通ってはいけない。安全な『はなのみち』を通りなさい。」と言うお母さんやくまさんは、本当は、『もりのみち』の「てんぐ」や「おに」や「おばけ」に、こんたがさらわれたり食べられたりすることがけっしてないし、『もりのみち』を通ったこんたが大きく成長していることも分かっているんだよね。
だって、くまさんもラストページのこんたの家族もみんなニコニコ顔。