何の気なしに借りた本でしたが、久しぶりに掘り出しものに出会ったと言える一冊でした。
作風は古典的なのですが、絵に兎に角迫力があります。
狐のこんたがお買い物に行くのですが、いつもと違う道を通ったら、恐ろしいものに出会うというお話です。
出会った時のこんたの表情は、全面に描かれていて見事としか言いようがありません。
「おあげください」が「おばけください」のくだりは絶品だし、そのとき手渡す硬貨がどんぐりでお店の店員がクマというのも、良く出来たつくりです。
買い物が終わってお母さんが向かえにきている瞬間のこんたのうれしそうな表情ったら、例えようがない位良い顔をしています。
御伽噺に加えても良いくらいの出色の出来栄えで、子供も大喜びの絵本でした。
この作者は、注目していきたいし、次回作が大いに期待出来ると思います。
読み終えた瞬間、久しぶりに興奮を覚えた一冊です。