子どもたちも、いつかは親の手をはなれて、広い世界に出ていきます。
あまり早く独り立ちされても寂しいですが、いつまでも心地よい家の中にずっといたいと思って「でも、ぼく……このままでいい……」と言われても困ります。
勇気の出ない球根はもぐらや、タンポポや、雨や、おひさまや、昆虫たちに励まされ、やっと芽を出し、その後もやっと葉が出て、つぼみが出て、花が咲き…。
絵本の進行の中では、絵としては表に出ていないので意外に地味ですが、おひさまの役割がとても重要に思えました。芽を出すときに、あっためて・・・あっためて・・・あっためて・・・あっためて・・・。蕾を開くときに、抱きしめて・・・抱きしめて・・・。
きっと親も、この太陽のように、子どもが勇気を奮い立たせて新しい世界に飛び込むその瞬間まで、表立たずに、子どものことを信じて、励まして、見守っていくことが大切なのだろうなあと思いました。