虫に目をやるのは、大抵厄介だな、食べるものにつくなんてと迷惑そうに見てしまうことが多くなってきた。でも子供を持ってからと言うもの、特に男の子の母になってからは、だいぶ変わってきたように思う。目線もより一層虫よりの見方に。心持ちも虫の気持ちになって環境を考えるようになったかもしれない。この絵本は身近な蟻に始まり、カブトムシ、蝶などの大きさ比べや生態、それぞれの嗜好品!?を淡々と語り、挿絵も切り絵のような優しい色遣いの貼り絵になっている。”虫はそれぞれ食べるものが決まっていて、それらを少しずつしか食べない”
この部分は、当たり前のことなのにズッシリと感じた。今よく耳にする「食育」に通じるものであり、はたまた人生、分相応に精一杯生きることを教えられたかのようにも感じた。息子は靴(お父さんの靴)と同じくらいの小さな草むらにもと言うシーンで次頁では靴の下か界隈にはこんなにも虫が住んでいるという絵が好きだと言っていた。確かにこのシーンはとても分かりやすく虫の大きさ、人間との距離が明確だったので気に入ったのかもしれない。虫好きではなくても、お勧めの1冊。