野山を駆け巡っていた、子供時代を思い出す、大人のための絵本です。
絵が1枚1枚額に飾りたいっ、て思えるすばらいい絵です。
一瞬切り絵かな? 版画かな?? って思うような色鮮やかな独特な絵で、見ているだけでも楽しいです。
子供の頃、毎年帰省していた母の実家で遊んだ風景そのものが、この本にありました。
見渡す限りのたんぼ。カエルの鳴き声。牛小屋。夕立。
読んでいくうちに、その情景が広がり、まるで夏の音が聞こえてくるかのようです。
クワガタをつかまえる、大きな大きな出来事。男の子なら、より一層共感できるのではないでしょうか。
私もカエルを追いかけていた記憶が甦ります。
子供も自分で読んでいましたが、「ふーん」ってカンジでした。
たぶん大人の方が感動する絵本でしょう。
大人が読んで、少年時代を思い出す。また田舎を知らない大人たちは、あの景色をうらやましく思う、そんな絵本です。