ぼんさいが大好きな、ぼんさいじいさま。
心優しいぼんさいじいさまの庭には、じいさまに助けられ、可愛がってもらっている生きものがたくさんいます。
とても居心地の良さそうな庭です。
ある春の日、満開になったしだれ桜の盆栽にひいらぎの冠を被ったひいらぎ少年が「お迎え」に現れました。
「きょうのことは ずーっとまえからきまっていたこと」と。
ぼんさいじいさまは、大好きなたばこを一服。
しだれ桜の枝にちょっとさわり、背筋をすっと伸ばして出かけます。
庭の生きものたちは、大好きなぼんじいさまにお礼とお別れを告げます。
ゆっくり、温かなお話しです。
一歩一歩、大切に時を刻んでいます。
春風にさらわれる桜の花びらのように、いくべき時に、誘われるままいくべきところへいく。
実直に、まっすぐ生きていきたい、と思う絵本でした。