マドレンカは犬が欲しくてしかたありません。その願いが高じてある日、本当に犬とお散歩に出たかのような不思議な体験をします……。
ピーター・シスらしい摩訶不思議で幻想的なイラストが印象的な作品です。犬が欲しいという設定は『ミトン』でもおなじみ。シス版はストーリーラインよりも、素敵な仕掛けが魅力です。この「仕掛け」なのか、「仕掛け」でないのかわからないほどひっそりと施されている「仕掛け」には、作者の美的センスが発揮されてますね。美しいです。(うちの子供たちは、この仕掛けが大好き!)最後にいろんな犬が紹介されるので、これも犬好きにはたまらないかも。
設定はシリーズ第一弾『マドレンカ』同様、ニューヨークが舞台。いろんな国の人たちが街角に登場し、国際色豊かです。日本人のミチコさんも登場〜。ちなみに米国ではこちら第二弾『マドレンカのいぬ』の方がずっと高く評価されています。(『マドレンカ』は、歯の抜けたマドレンカが街中を走ってそれを知らせていくお話。)共に、ニューヨークらしさが味わえる作品ですね。小学生だったら、いろんな国の文化の勉強になるかもなどと思いました。