どの時代も乱世だと書いてあった本がありました。
人として大きな悪事を働いているわけでもないのに、生きていると理不尽なことに遭遇することがあります。
それは災害、事故、戦争だったり身内の突然の死であったり、人によっては努力しても変えられない気質的なものであったり、
それだけ生きていくことは困難で、心穏やかに生きたいと思いながらも、心の中でざわめくような波立ちが抑えられないことも。
『きらきら』という作品を読みたいと思ったのは、先に同じ作者の『草花とよばれた少女』を読んだからでした。
『草花とよばれた少女』は、第二次世界大戦中の日本人収容所のことについて描かれた作品です。
主人公・スミコは、拘束された生活の中、草花を育てる技術を活かして収容所生活の中でも生きる希望を見いだそうとします。
作者が、日系三世ということで、ルーツは日本。
日本的な物の考え方や言葉がでてくるので、今までの海外YA作品の中ではとても身近な作品に感じました。
「きらきら」というのは、主人公ケイティの姉・リンがケイティに教えてくれた言葉です。
どんなことも工夫して楽しいことにしてしまうリン。リンに影響を受けながらケイテイは成長していきます。
1950年代のアメリカで、日系人は有色人種としての差別もあります。
『草花とよばれた少女』も暗く重くなりがちな題材でありながら、読後感は決して重くありませんでした。
この話も最後は読みながら涙ぐんでしまいましたが、どんな時でも明るい方を向いて生きていこうとするそんな姿勢があり、そこに救われるものを感じました。