アイルランドに伝わる人魚伝説を、せなけいこさんが再話しています。
アイルランドに住む漁師のジャックは、ある日海辺で不思議な人魚、メロウに会います。
メロウは不思議な三角帽子を渡し、ジャックを海中の家へ案内し、
ブランデーをご馳走してくれるのです。
ところが、見せてもらった酒蔵で、ジャックは、難破した漁師たちの「魂の檻」を見つけます。
良心から、ジャックは、メロウを酔っ払わせてその魂を救出しようとするのですね。
海中にも、空気の層や地面のある世界があるとは神秘的です。
人魚が酒豪というのも面白いですね。
そして、やはり、「魂の檻」の存在が印象的です。
ジャックの救出で、それらの魂がどうなったかは、読者の想像にゆだねられます。
また、突然会えなくなったメロウのその後も。
不思議な読後感があります。
アイルランドの昔話、興味深いです。