図書館の新刊コーナーで、
赤い表紙と『Be絵本大賞受賞』という帯に惹かれて借りてきました。
初めて聞いた賞だったのですが、もう4回目だそうです。
映画のヒーローに憧れて、怪しい雰囲気のお店で赤いマスクを買った主人公。
これで自分も格好良くなれる!と意気込んだのですが、
街に出ると、誰も彼もが赤いマスク。
恋人だと思っていたデートの相手は、全くの別人。
八百屋さんだと思って声をかけたら、その人はお客さん。
病院では、誰が医者なのか患者なのか分からない。
人相が分からないので、通行人と泥棒の区別も付かない。
子どもは、自分の親が分からない。親は、自分の子どもが分からない。
注文していない物が届く。注文した物がいつまでも来ない。・・・
街中大混乱なのに、誰もマスクを取らないのが滑稽です。
主人公は、友達と待ち合わせしたのに待てど暮らせど会えず、
マスクを外すと、実は隣にいた友達に気付いてもらえる・・・というラスト。
流行を追いかけたくなる気持ちは、よ〜く分かります。
“みんな”と一緒だと、安心するものです。
でも、みんな“違う”からこそ、それぞれの個性が光るのですよね。
背景の描き方やキャラクターが独特で、何とも不思議な雰囲気の絵本でした^^