東京にまだ路面電車が残っている不思議と、早稲田から三ノ輪橋という路線に残る情緒を味わえるお話です。
少しローカルかもしれませんが、お近くにお住まいの方ならば、物語に出てくる地名や風景をしみじみと思い起こされるのではないかと思います。
路面電車に乗るのが好きで、早稲田まで学習塾に通っているヒロシ。
車中で知り合った「みみずくばあちゃん」と、塾でしりあったあこがれの小川さんの三人の物語です。
自分が王子に暮らしていたことがあり、飛鳥山や王子稲荷の初午はとても懐かしい情景。
自分の少年時代を懐かしんで、息子と都営荒川線に乗ったのもずいぶん昔になりましたが、いろいろな思いを感じながら、個人的に楽しみました。
交通手段の発達や、地下鉄で外の景色を楽しむこともなくなった大都会ですが、このような風情と人情味がまだ残っている場所もあるのです。
お話は20年ほど昔のことですが、機会があったら都営荒川線に乗ってみて下さい。
まだまだ東京にも路面電車の人情味は失われていないことを感じます。