飼育係りの亀井さんが、神戸王子動物園で生まれたチンパンジーのチェリーちゃんを、自宅で3年余り育てた後動物園に返した、苦労と愛情の物語です。
動物園で見ると、チンパンジーは道具を使って食べ物をとっていたり、上手に木登りしていたり、見ていて飽きることがありません。けんかをしたり仲良くしている様子も人間に近い物があり、こういう動物をご自宅で育てるのは、犬や猫とは違うご苦労があったろうと思います。それだけに、愛着もひとしおだったのではないでしょうか。そんな様子が、生き生きした文章から伝わってきました。
次女は動物園に連れて行っても、かわいい動物は熱心に見るのですが、チンパンジーにはいま一つ関心がありませんでした。けれど、この本では、チェリーちゃんの様子がわかり易く書かれていて、興味を示し、何度も何度も読まされました。動物や植物は実物に触れるのが一番と思っていたのですが、例外もあるのですね。