声に出して読みたい本だけど、相手は子どもではない。
もう一人の自分に向って声を出して読みたいような絵本です。
別れてから久しぶりに会う、父親のジョニー。
大好きなお父さんあえてうれしい息子のティム。
二人だけの一日に楽しい思い出が詰め込まれていきます。
会う人会う人に父親を紹介して自慢するティム。
その姿に心がしめつけられます。(読み聞かせをするだけではなく、自分も誰かに読んでもらいたい)
そして、父親との別れ。
お父さんも、ティムを電車の車内に連れ込んで、乗客に息子を紹介します。
二人とも、互いに大好きで、会えばうれしくて、別れたくないのです。
感動!
お父さんと別れた後のティムの父親を思う心。
これでもか、これでもかと私の涙腺を刺激。(これは、映画館の観客のように絵本に浸りたい)
父親っていいもんだぞ〜。
でもこの絵本、夫婦のことも考えさせられる。
離婚ってこんなこと?
父親に会う息子を置いて帰る母親。
父と別れた後、息子を迎えにきた母親。
お父さんとお母さんは顔を合わせることはない。
お母さんの表情が見えないので、どんな夫婦だったのか分からない。
一緒に暮らしているお母さんとティムはどんな親子なんだろう。
どうして別れてしまったんだろう。
親子と夫婦。
絆とつなぎ止められない心。
この絵本。
子ども、父親、母親、読む人にとって感じ方が違うのだろうな?
電車は去ってしまいました。
別れて暮らしていても、ジョニーとティムの気持ちがずっと続いて欲しいと思いました。
成長したティムと再会できるジョニーは、人間として認め合えるでしょう。