五味太郎はとっても理屈っぽい先生だ、と思う。理屈っぽいからこねくり回して気付くと、最初とは似ても似つかない代物になっていて、それでもツジツマを合わせようと理屈を掘る、それがおもしろい。この本も五味太郎の遊び仕事。ことわざ自体、5歳の子ども向きではあるまい。ところが彼の絵は、そんな縛りなど一切ないのだと、わが子に気付かされた。
ひらがなは読めた当時のわが娘は「見る」に徹する。
「類は友をよぶ」の樹木で鳥たちが群れる絵と、「しかたないからおともだち」のマラソンどん尻3人組の絵を、交互に見比べてこう言った・・「ことりさんも、おつきあいたいへんなのね」。
「一事が万事」ののんびりやさん例えを見て「のんびりにしたのはゴミタロウ」。
「かえるの子はかえる」と「ぐうたらの子はぐうたら」を見て「あ〜おやはね、えらべないものね〜」等々。
なんとなくわかっているのかな、そう感じることが度々あった。五味太郎、恐るべし!へ理屈に屈した私でした。