海の中を冒険するお話にありがちな、「ほとんど青」みたいな単調さとは無縁の素敵な作品。
海の中がいかに色に溢れているか、多様性に溢れているか、幼児にも大人にもその魅力が通じるように作られている。
その魅力の海を自転車で移動するのが、本当に楽しそう。こんな自転車があったら、私も乗って海中探検に行きたい。
異次元を自転車で、という発想は宇宙空間を人類が作った道具でうろうろする、という感覚に似ているように感じた。
冒険という男らしさを象徴するような内容でありながら、女子のハートをわくわくさせるような「宝物」も出現するバランスの良さ。
陸を舞台にするのとはまた全然違うファンタジーが待っている。
子供は、とにかく最後に出会う「宝物」に魅了されていた。
海の中にはどんなに素敵なものがあるのだろう、と子供に期待させるのに十分な作品。