科学絵本は好んで読み、風力発電所の風車を毎日見上げて暮らしている娘ですが、やはり5歳の彼女にはまだ遠い外国の島の様子など、理解が及ばないところが多く、残念ながらあまり興味を示しませんでした。
周囲は全く理解を示してくれない中、ハーマンセンさんは、何年も何年も強い意志を持ち続け、やがて停電をきっかけに島の強風を生かした風力発電でエネルギーを自給するという方向へ島全体が動いていきます。本土から海底ケーブルをつたって供給される化石エネルギーの電力に全てを委ねていた島は、今では逆に風力発電での余剰電力を本土に売電するまでになりました。
そのような経緯や現状が、子どもの語りで綴られて絵本の体裁となっているので、小学校中学年くらいから、ドキュメンタリー、ノンフィクション読み物へのとっかかりになりそうな一冊です。最後の解説のページは親も一緒に読むといいと思います。