馬場のぼるさんの鬼がとても優しく描けています。この「らしょうもんのおに」は、もちろん優しい気立てがよいおになのですが、人間より心やさしいおにだと思いました。たけのこ売りのきょうだいに、親切にたけのこを運んであげたりして、きょうだいもおにが捕まった時には、おにぎりを差し入れていて、もらったたけのこが身代わりになったりしました。とうろうに「おとっつあん」を想うやさしいおには、おとっつあんに愛されて育ったのだと思いました。貧乏なきょうだいでしたが、おにだとわかっていても知らないふりをしているところも感動しました。