ディズニーのシンデレラなの。と、青いワンピーズを着た娘。
ディズニー? と不思議そうに尋ねると。彼女は補足した。絵本のじゃないの。
ああ、東逸子さんの絵のほうのシンデレラじゃないってことか。確かにあのシンデレラのドレスはピンクと黄色と白だものね。
お姫さま大好きの娘にとって、王道中の王道、シンデレラは憧れのまと。しょっちゅう、シンデレラに変身して、掃除をしたり、ごはんをつくったりしています。私はなぜか意地悪な継母ではなく、おねえさんの配役がよくつく。
3歳の娘には長いか? と思ったが、この美しい絵本の魅力に私のほうがあがなえず、購入。まあ、大きくなって読み聞かせられるしねと。ところが意に反して、娘は買ったとたんに夢中。舞踏会の中のおねえさんを、すぐさまここにいると言い当てた。そして、お話にでてくる、“おとしをめした”王様がいないことがご不満の様子。
翌日にはごっこ遊びに突入。
彼女のごっこ遊びを見ていると、この長いお話の、細かいエピソードまでよく覚えている。そうそう、おねえさんの頭をくちゃくちゃにしないで、ちゃんとゆってあげて、お城では、レモンとオレンジをあげるのよね。
絵の美しさはもちろん、お話の細やかなおもしろさ、言葉の美しさ、どれをとってもシンデレラの世界にはまれる絵本。