山の桜の木から名前をもらったさくら子。
その木までは、山あいの小さな駅から行きます。不思議な木で、もともとは栗の木でした。嵐で折れたその木から、桜の芽が出てきたのです。栗の木が身ごもって、桜という赤ちゃんが生まれました。そして名づけられた名前が『みごも栗』
さくら子のおばさんが亡くなった日が、さくら子の誕生日。
そのことを考えているうち、まさか、こんなことがあるとは、思いもよりませんでした。そして、その事実に気づいた時、涙がこみ上げてきました。
まだ小学生のさくら子の気持ち、また、その気持ちを気遣うおかあさんの想いを考えると、とても切なくなりました。
絵は、油絵でしょうか。人物の描き方が、なんだか華奢、そして、優しく描かれた花と、とにかく、独特な雰囲気の世界が広がっていました。