仕掛けが楽しいぴよちゃんシリーズですが、この絵本には仕掛けが一つだけ。心にしみるお話しが魅力的な絵本です。
もちろん、絵もすごく可愛いです。ぴよちゃんだけでなく、春・夏・秋と移り変わっていく季節の花や虫達が裏表紙まで使って描かれていて、親子で季節を楽しめる絵本にもなっています。
最初、ひまわりの種を食べるつもりだったぴよちゃんですが、ひまわりが成長するにつれて、徐々に愛着がわき、友達になり、なくてはならない存在になっていきます。
でも‥‥季節はめぐっていきます。枯れてしまいそうなひまわりのために、水をくんできてかけてあげるぴよちゃん。枯れてしまったひまわりの横で涙を流すぴよちゃん。とても切なくなります。
この絵本、植物の一生を正しく描いているところがとてもいいと思うのです。絵本の世界だから、と「いつまでも仲良く過ごしました」と終わらせないところがいいのです。とても大切なこと、教えてくれています。
ハッピーエンドではないけれど、とても晴れやかな読後感。
おすすめです。