食べる物を求めて、伊賀良村へ引っ越してきたたいすけ一家。
お父さんは水利の悪い土地で初めての農業を始めます。
ついにはトンネルを掘って水路を作り、田んぼ作りに成功するのです。
体の不自由なたいすけも自然の中で少しずつ良くなっていきます。
一家のために一心にトンネルを掘る父の姿と、
それを支える家族の優しさ、見守ってくれた村人達が素晴らしいです。
自然の営みが画面いっぱいに広がります。
作者自身の体験をベースに書かれた絵本。
原田泰治さんは幼少時の小児麻痺のため体が少し不自由ですが、
朝日新聞に連載中から私はその素朴な絵のファンで、
個展で本人にお会いしたこともあります。
作者の画風のルーツがよくわかると共に、
畑仕事の厳しさを教えられました。