表紙には赤ちゃんを抱っこするお母さんと、それを見つめる猫の姿が描かれています。
少し前まで、そこは猫の居場所だったけれど、今は赤ちゃんのもの。甘えたい気持ち、でもうまく伝えられない気持ちを言葉を出せない猫の姿を借りて表現されています。
「寝て、泣いて、起きて、おっぱい飲んで、赤ちゃんなんてつまらない」と思い、「私は自分で顔を洗えるよ」と言ってみたり、「近づくと甘い匂いがする‥」と感じたり。
そして猫は「私はもう大きいから」と赤ちゃんにお母さんのおひざを貸してあげようと決心するのです。
この心の動きは、まさに下に赤ちゃんの生まれた、お姉ちゃんの気持ちそのものですね。
短い言葉と、ぬくもりを感じさせる絵、そしてとても暖かく幸せな気持ちになる結末。
兄弟姉妹のいる子供達はもちろん、お母さんにもおすすめしたい絵本です。