パン屋さんはその日の天気によって調合や生地発酵の時間を変えたりはするかもしれませんが、概して同じことの繰り返しが多いかもしれません。くまさんは毎日の仕事を手を抜くことなしにこなし、そして礼儀正しく感謝の気持ちを忘れず、そしてまわりの人からも有り難がられることを感じられるという、究極の幸せな生活を送っています。
売り上げはきちんと貯金。間違っても無駄遣いはしなさそうです。
これがくまさんでなくふつうの人間であればなんの面白みもありません。でも人間が忘れがちな地味でありながら幸せを感じる生活をくまさんがしているところになんとも意味があるのだと思います。
大きな声で笑ったり、という感じの本ではありませんが、これを子どもを読むときに何とも幸せな気持ちになるのでした。
派手な幸せよりもこういった地に足のついた、感謝をわすれないくまさんのような人生を送って欲しいな、と私は密かに娘に託すのでした。