パン屋のくまさんの一日を描いた絵本です。
朝早く起きて、パンやパイやケーキを作り、車でそれを売りに行ったり、店番をしたり。
誠実で働き者のくまのパン屋さん。
特別な事件も起こらない一日が淡々と描かれているので、メリハリのあるお話でないと面白くないという人には不向きの絵本かもしれません。
しかし、そこはかとない風情とユーモア。それがこの絵本の魅力なのではないでしょうか。
このくまのパン屋さんに来るのは人間のお客さんばかり。
どうやら人間の世界に、普通にこのくまのパン屋があるようなのです。
結構リアルな人間に、ぬいぐるみみたいなくまの対比が、なんだか妙に面白くてしかたありません。
しかも、このくまさんは、けいきよくかねをならしたり、礼儀正しく挨拶をしたり、お客さんの子供たちにキャンデーをくれたりするのです。
その可愛らしい様子には、しみじみとしたユーモアが。
娘もこの絵本はけっこうお気に入り。
「このパン屋さんに行ってみたい。そしてキャンデーもらいたい!」と言っています。