死神という不吉な神様の話だけに、ブラックユーモアたっぷりですが、落語をベースにして、読み気かせに楽しい絵本になっています。
落語がベースだから、おかみさんやら、死神やらいろんな登場人物が現れますが、こ気味の良い語り口調で話が進みます。
死神をだますという、主人公の悪知恵。それで、自分の寿命を縮めてしまいます。
「人の不幸をこんな笑い話にしてしまってよいのだろうか?」とも思いますが、死神の描かれ方、死神も居眠りするのだと妙な納得納得のさせ方、いろいろと唸るところが多い作品ですが、一面のろうそくが描かれている所などは、絵でなければ表現できない世界。
最後に自分のくしゃみで、せっかくもらった長いろうそくの火を消してしまうくだり、何のことばもいらず、くしゃみだけで全てが説明できてしまう。絵にして見事です。