独裁的な大統領が君臨する大きな国。この国はとても強い軍隊を持っていて、他の国をどんどん征服していきます。最後に、今まで放っておかれるくらいとても小さい国を征服しにいきます。けれどそこには軍隊がなく、人々は大きな国の兵隊たちをお客さまのようにもてなしてくれます。することがない兵隊たちは、人々とお喋りをしたり、仕事を手伝ったり、遊びを教えてもらいながらだんだん小さい国の文化に親しんでいきます。大きな国を、征服したはずの小さな国の文化がだんだん覆っていくのです。というお話。
戦争ものですが、絵がかわいらしいので、決して重くはなっていませんし、結構さらっと読めてしまいます。力でねじ伏せることのむなしさや、寛容な心の強さなど大人には感じるものも多いでしょう。
でも、子どもの反応は今ひとつでした。テーマが前面に出てしまうものは難しいですね。げらげら笑いながらも何かが心に残るというお話の登場を心待ちにしています。