ゆうれいといっても、こわくないです。おなかがすいて困っているゆうれいなんて、ちょっとかわいいじゃないですか。
ゆうれいもやせているものや、太っているものがいるそうです。うまいことをこわがらせて、人間から食べ物をお供えしてもらえると、太れるそうです。じゃあ、要領の悪いゆうれいは・・・・?
食べ物にありつけず、行き倒れてしまいました。さすがの閻魔さんも、哀れに思って鬼を救援に駆けつけさせます。ところが鬼はしくじって、あのゆうれいは、はるか空のかなたへ、びゅーん。
でも、ゆうれいにとって、それがいちばん良かったんです。だって、おなかがすかない姿に変わったんですから。そのゆうれい、とってもうれしそうな顔をしていますよ。仏壇にお供えしないと、ご先祖さんがおなかをすかせてしまうって聞いたことがありますが、この絵本を読んだら、ほんとにそうなのかもしれないって気がしてくるから不思議です。