昔、実家の本棚には岩波書店版のがもう背表紙もぼろぼろ、色もやけてしまった状態でこの本がありました。それでも何度も何度も「読んで!」とせがんでは、そのたびに虎がおそろしく、さんぼの服の鮮やかな色に目をうばわれ、うらやましくてため息がでるようなおいしそうなホットケーキを眺めていたことを思い出します。差別問題などで出版されなくなったと知ったときは、「シナの5にんきょうだい」と同じく惜しいと思ったものですが、昔のものに忠実に出版してくださった瑞雲社に感謝です。
娘にとってはまったくはじめて聞くおはなし。私にとっては馴れしたしんだお話だけど、彼女は今日はじめてこの名作に触れるんだ...と思うと、しみじみと感動を憶えました。
翌日には、もう自分ひとりで声に出して、一生懸命最後まで読み通していました。きっとすごく気にいったんでしょうね。